金融の膨張 8

実際に、信用のいわゆる無分別な膨張は、60年代におけるインフレと同じ役割を果たしました。


この両者(信用膨張とインフレ)の機能様式のちがいはわずかです。


貸し付けを認められたそれぞれの債務者は、インフレによって貸し付けを部分的に返済するだけで済みます。


安定した価格の状態のもとで未返済の信用が膨張するということは、資本主義がたえず供給に対する需要の先行を必要としているということをいくぶんなりとも明確に語り出しています。


供給の質は、供給の反応速度と反応方法とりわけ価格、によってあとから評価されます。


そのゆえに、インフレや債権者の「軽率な行動」が賛美されるのです。


持続的かつ長期的な成長をおこなうには、債務者の経済にかぎるのです。


そもそも債務者のいない金利生活者などありえないのですから。

金融の膨張 7

需要が先行し、供給はたえずそれに従わなければなりません。


それは、財政管理が政治的決定に従わなければならないのと同様です。


それこそまさに近年の世界市場で起きていることなのです。


ウォール街の金融氾濫を激しく非難することによって、多くの場合、世界経済全体が国内的にも、対外的にも「アメリカの赤字」に全面的に依存しているということの認識が妨げられています。


実際この10年間、世界の経済活動の全体が相次ぐ債務の激増をもっぱら利用することで維持されてきました。


ラテンアメリカ諸国には、5000億ドルが融資されました。


これらの諸国は明らかにこれらの債務を返済できないでしょう。


現に1世紀も前からそうでした。


ついで別の5000億ドルのジャンクボンドが融資されます。


さらにほぼ同額の貯蓄金庫の公債が融資されます。


この公債は国有化されずに、国から「援助」されるでしょう。


これほどの額の貸し付けが返済の実質的なメドがたたないままにおこなわれているのです。


しかしそれでもやはり、この貸し付けは成長の決定因ではないにしても、成長の支えとして成長に先行したのです。

金融の膨張 6

企業の資金管理の進展によって必要とされる活動が増加しますが、それに加えて家計の資金管理を扱う活動が増加します。


金融セクターはこの後者の活動のうちに例外的な発展の諸条件を見いだしました。


しだいに金融的となっていく資本主義は、長い間に機能様式においてだけでなく、その本質的構造においても変容を遂げたのです。


近年の相次ぐ株式市場の危機は人びとの関心を引きましたが、この危機は、偶然の出来事として受けとめられるか、あるいは資本主義社会の金融混乱および金融肥大化に対する必要な矯正策として受けとめられました。


この2つの受けとめ方は同じように限界があり、要するに誤っているように思われます。


資本主義の主として投機的な側面を非難することによって、金融活動の発展のゆきすぎた性格を強調するか、あるいは株の大暴落がこのような罪に制裁を加えてくれるのを期待するのです。


ということは、資本主義経済における信用の役割のまったくの無理解に由来するか、さもなければ多くの場合貨幣に対する吸引と反発に属する純粋に感情的な傾向に由来しています。


実際のところは、貨幣と信用の供給が経済活動を維持し、さらに経済活動に先立つことなしには、われわれの経済の持続的な成長はけっしてありえなかったのです。


金融の膨張 5

両者の区別は、また以前ほど正当化されなくなってもいます。


それは、租税の制約があるために、最富裕層がもっぱら値上がり益だけを糧にして暮らそうとするようになるからです。


所得は貧民の生活の糧になるよう余儀なくされます。


諸国の政府が、たとえそれが社会民主主義的政府であろうとも・・・。


貧困層と富裕層とのあいだで今日広がりつつある溝を埋めることは、あきらかに不可能なのです。


この二重の現象は、結局のところ資産管理の活動を助長し、活発にしただけでした。


富は巨額になればなるほど自動的に蓄積されるがゆえに、資産の不平等は永続的に維持されます。


したがって、資産の不平等は依然として所得の不平等よりもはるかに鮮明なのです。


しかしそうは言っても、これからは個人あるいは家族が「動産」、これまでその対象はもっぱら住宅に向けられていたの名義人となり、その数がすべての諸国でかなり増え、そのために、金利の民主化について、それゆえ金利生活者の地位の民主化について言及しうるようになることに変わりはないでしょう。


金融所得はいまや平均して、家計所得のほぼ20%を占めています。


新しい金利生活者は、ケンイズ政策の激しい精神的苦痛の犠牲となった自分たちの祖先の恨みをいまここで晴らしているのです。

金融の膨張 4

両者の区別がより正当化されているのは、資産の不平等のほうが所得の不平等よりも内容が豊富であること。


それと同時に、社会的にもより重要な意味と効果をはらんでいるからなのです。


すべての諸国において第四世界が現れてきます。


それはもはやプロレタリアートではなく、周辺的で不安定な生活条件のもとで暮らすとらえどころのない集団です。


イギリスの地域のなかには、もはや台湾や韓国ほど実質賃金が高くないところがあります。


この低賃金こそ、他のすべての政治的配慮にもまして日本の投資を説明してくれるものなのです。


フランスでは、この住民の存在がRMI「社会復帰のための生活保護制度」を創設する根拠となりました。


RMIは、伝統的な所得政策が機能しなくなったことのしるしです。


米国では、黒人の社会統合を実現するために用いられた雇用割り当て政策を、現在では他の住民にまで拡張しようとする試みがなされています。


最後に、南ヨーロッパでは、古き良き賃金鉄則が闇労働の斡旋によってつねに市民権を得ています。

金融の膨張 3

この黒字額は世界生産の1%を占め、その大半は湾岸諸国の内部にかぎられました。


しかし、所得の不平等の伸びは、石油を消費する諸国の内部でも見られました。


これらの諸国は、所得移転に身をゆだね、債務返済のために成長の減退やさらには不況を余儀なくされました。


ところで周知のように、不平等は経済の拡張期に収縮し、景気後退期には拡大します。


生産の動向と所得分配の動向とのこのような関係は、すでに19世紀全体を通じて、また1929年まで見られた循環性の景気変動を特徴づけていました。


このような対応関係は、持続的な高度成長によって不況が消滅した第二次大戦後も続きます。


要するに成長が加速されると、所得の不平等が縮減するのです。


この自然的な関係に加えて、さらに適切な所得政策が採られただけに、不平等の縮減はなおさらでしょう。


1973年以降、歯止めのない成長が終わりを告げ、一時的な不況が戻ってくるとともに、所得の不平等がいくつかの要因の作用を受けて増大します。


その主たる要因は、富裕階層の所得において金利の占める比率が、とりわけ金融商品の値上がり益の占める比率が増加したことです。


実際のところ、所得の不平等と資産の不平等との区別は、資本主義の生成段階の頃よりも正当化されていると同時に、それほど正当化されなくなっています。

金融の膨張 2

もっとも実入りの多い貨幣と株式をあらかじめ探り当てるために、予想のいくらかの努力を惜しまない者は、洞察力をもつか、情報に通じているか、あるいは幸運でありさえすれば、とどまるところがありませんでした。


日々世界のいたるところで、価値が10%ずつ上昇する株が存在します。


したがって、好機をけっして逃しさえしなければ、その人は資産を1年間に1兆倍に増やせることになるのです。


この例外的なチャンスは、金融領域の膨張にきわめて重要な効果をもたらすこととなりました。


匿界の貯蓄、資産形成、資産増加が所得の不平等の高まりからエネルギーを摂取したため、この効果はなおさら重要となります。


所得の不平等の高まりは、あきらかに70年代の支配的な特徴の1つをなしています。


諸国間の不平等を引き起こしたのは、産油国における、当時の石油黒字の出現でした。

金融の膨張

企業の資金管理方法を一新する、技術の異常な膨張。


これは、資本主義に新しい金融の相貌をあたえるのに十分でした。


この膨張が世界市場の世界化と同時に起こっただけになおさらそうですが、資本主義を大衆化するには十分ではありませんでした。


新しいすべての金融手続きが引き起こした不正事件の増大を引き合いにだしたとしても、そう言うことができるでしょう。


実際のところ、このような資金管理方法のすくなくとも暗黙の正統性が生じてきたのは、金利と金利生活者の新たな発展によってでした。


それはおそらく最近の10年間にもたらされた帰結のうちでも、もっとも重大な現象でしょう。


わたしたちは金利と金利生活者が新たに発展した2つの本質的な原因を知っています。


1つの原因は、70年代の末以降実質金利が先例のないほどに高騰したこと。


この高騰はアメリカの膨大な慢性的財政赤字の結果です。


財政赤字へのファイナンスは、先進諸社会のかつて遠い過去においてさえ経験したことのないような報酬をもたらします。


実質金利はおよそ5%で、そのためにもっとも消極的な資産の購買力でも15年近くで倍加することができました。


その名目次元での購買力は、7年たらずで倍増しました。

大脳の奥深いところにある大脳基底核 2

脳は絶えず情報が行き来しているところなのだが、尾状核と被殻からなる線条体は、大脳皮質や大脳辺縁系、視床から情報を受け取っている。

一方、淡蒼球や黒質は、視床や線条体に情報を送り出している。
視床下核は、おもに淡蒼球から情報を受け取り、再び淡蒼球に情報を送り出したり、黒質に送り返したりしている。

このように、大脳基底核での情報の流れは分かっているが、働きは十分には解明されていない。

ただ、大脳基底核が運動と関係していることは確かであることはわかっている。

大脳の奥深いところにある大脳基底核

大脳のもっと奥に入り込んでいくと、大脳の基底部に位置するあたりに比較的大きな核がいくつか見られる。
核というのは、脳を構成している中心的な細胞である神経細胞の集まりのことだ。
その核には尾状核、被殻、淡蒼球、視床下核、黒質があり、これらを総称して大脳基底核と呼んでいる。

尾状核は、オタマジャクシのように大きな頭と長い尾をもった形をしていて、また、被殻は桃の種の殻のような形をしている。
この2つを合わせて線条体という。人間やサル以外の動物では、この2っが分かれていないで1つになっている。

また、被殻と淡蒼球はレンズ核ともいう。
淡蒼球は被殻の内側に隣接し、神経細胞の密度が尾状核や被殻より低いため、白っぽく見える。
そのやや下方には、黒い核があり、これが黒質だ。
ここの神経細胞はメラニンを含んでいて、黒っぽく見える。それで、黒質と呼ばれているわけだ。
黒質のやや上側、視床のすぐ下にあるのが視床下核である。

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