金融の膨張 3
この黒字額は世界生産の1%を占め、その大半は湾岸諸国の内部にかぎられました。
しかし、所得の不平等の伸びは、石油を消費する諸国の内部でも見られました。
これらの諸国は、所得移転に身をゆだね、債務返済のために成長の減退やさらには不況を余儀なくされました。
ところで周知のように、不平等は経済の拡張期に収縮し、景気後退期には拡大します。
生産の動向と所得分配の動向とのこのような関係は、すでに19世紀全体を通じて、また1929年まで見られた循環性の景気変動を特徴づけていました。
このような対応関係は、持続的な高度成長によって不況が消滅した第二次大戦後も続きます。
要するに成長が加速されると、所得の不平等が縮減するのです。
この自然的な関係に加えて、さらに適切な所得政策が採られただけに、不平等の縮減はなおさらでしょう。
1973年以降、歯止めのない成長が終わりを告げ、一時的な不況が戻ってくるとともに、所得の不平等がいくつかの要因の作用を受けて増大します。
その主たる要因は、富裕階層の所得において金利の占める比率が、とりわけ金融商品の値上がり益の占める比率が増加したことです。
実際のところ、所得の不平等と資産の不平等との区別は、資本主義の生成段階の頃よりも正当化されていると同時に、それほど正当化されなくなっています。